Brand Story

女優・タレントの吉岡美穂さんご来店の3ショット

PHOTO: B.S TIMES

発酵の旅は、
夫婦のもめごとから始まった。

ある日の、ちょっとした言い合い。捨てられそうになった野菜たち。
その瞬間から、FERMENT U の物語は始まりました。

── そこから始まったのが、私たちの「発酵のある暮らし」でした。

CHAPTER 01

きっかけは、夫婦の小さなもめごと。

── 「冷蔵庫に、また使い切れない野菜が残ってる。」

食卓を巡る、何気ない夫婦の言い合い。家庭という小さな場所で、それでも、繰り返し起こっている問題でした。 捨てるのも、食べきれないのも、どちらの罪でもない。ただ、毎日忙しい現代の生活と、食材の鮮度のあいだに、すこしずつズレがあるだけ。

きっと、これは私たち夫婦だけの話ではありません。冷蔵庫の野菜室を開けて、ため息をついたことのある人なら、 誰にでも身に覚えのある、ささやかな罪悪感だと思います。

「どうにかして、この野菜たちを、美味しいまま、明日へつなげられないか」── そう思ったとき、頭に浮かんだのが、 日本の家庭の台所で、何百年もまえから受け継がれてきた、ひとつの答えでした。

発酵、という、時間を味方にする技術。

紅葉の下で寄り添う髙須賀夫妻のポートレート

もめごとから、二人で同じ方向を見るように。

CHAPTER 02

米麹との、再会。

生命科学を学んできた私(髙須賀径太・東京薬科大学 生命科学部卒)にとって、発酵は、ただの「食品加工法」ではありませんでした。 それは、目に見えない微生物と、人間の、長く穏やかな対話。

なかでも米麹は、日本の食文化の根幹をなす、たぐいまれな素材です。蒸した米にコウジカビ(Aspergillus oryzae)を繁殖させたこの白い粒は、 デンプンを糖に、たんぱく質をアミノ酸に変える、自然界が用意してくれた、最高の翻訳者。

「米麹があれば、ふだんは廃棄されてしまう野菜の旨味すら、引き出せる」── そう確信したとき、ブランドの輪郭が見えはじめました。

甘酒で乾杯する手元のクローズアップ

米麹の発見に、ささやかな乾杯を。

CHAPTER 03

FERMENT U、誕生。

150 年続く酒蔵から届く、生きた米麹。三河の湧水で育った、清らかな粒。 ていねいに育てられた、香り高いハーブ。世界の食卓を彩る、9 種のスパイス。 ── これらを、ひとつの瓶のなかで結ぶことから、FERMENT U の最初の商品「発酵ハーブソルト」は生まれました。

堅苦しい伝統食ではない。子供たちが進んで食べたくなる、おいしいもの。 働き盛りの父親が、健康だからではなく、美味しいから手を伸ばす、本物の調味料。

美味しいが、正義。

これが、FERMENT U の核にあるシンプルな信念です。 クラウドファンディングで 317% の達成率、160 人の応援とともに、ブランドは小さく、しかし確かに、世に出ました。

CHAPTER 04

多くの方に、届いています。

小さな瓶から始まったこの調味料は、少しずつ、いろいろな食卓に運ばれていきました。 女優・タレントの吉岡美穂さんにもご来店いただき、発酵のある暮らしについて語り合う、うれしい時間もいただきました。

肩書きも、暮らしのかたちも違う人たちが、同じひとふりを、それぞれの食卓で楽しんでくれている。 「本物を、楽しく日常遣いしてもらう」── その手応えこそが、私たちの背中を押し続けています。

吉岡美穂さんとの対談カット

PHOTO: B.S TIMES

CHAPTER 05

2026 年、酒蔵で、地域で、世界で。

いま、FERMENT U は、4 つの商品(発酵ハーブソルト・雪どけこうじ・つきみこうじ・和リッサ)と、 ひとつの大きな仮説を持っています。

── 発酵は、日本の閉じた伝統文化ではない。世界の食文化の、底を流れる水脈になりうる。

その第一歩として、2026 年 11 月 23 日、酒蔵を 1 日だけ貸し切り、地域 × 発酵 × アートで食卓を結び直すワンデイ・フェスティバル 「くめくめ醗酵EXPO」を開催します。地域のレストランが、その日のためだけに用意した発酵食。 普通の主婦が、発酵セラピストへと一歩を踏み出すワークショップ。アーティストとの対談で、 「今日もいいけど、明日はもっとおいしくなる」という、発酵の時間性そのものを、五感で体験する場。

その先には、韓国・米国・東南アジア・EU への越境展開。スパイスと発酵がつながる、小さな世界旅行を、 日々の食卓から届けたい。10 年後の 2036 年、世界中の家庭の食卓に米麹を使った調味料が当たり前に並ぶ景色を、 私たちは見ています。

子どもの小さな手と、こぼれる米粒

この手に、発酵を渡していく。

EPILOGUE

次世代に、発酵を残す。

本物の日本の技術や文化が、静かに消えていこうとしている一方で、情報だけがあふれ、偽物が幅をきかせる時代になりました。 だからこそ私たちは、本物のお品物を、気負わず、楽しく日常遣いしてもらうことにこだわります。

そして、その先にあるのは「次世代に残す」という願いです。発酵給食のような子どもたちとの接点を増やし、 くめくめ醗酵EXPOのような地域の祭りで文化そのものを体験してもらい、海外への広がりを通じて、 日本の発酵を世界の水脈へと育てていく。

捨てられそうになった野菜と、明日の食卓を結び直す。
母から子へ、受け継がれた手仕事を、いまの暮らしに結び直す。
日本の発酵と、世界の食卓を、結び直す。

毎日のひとふりで、味も整い、心も整う。

── FERMENT U が、毎日少しずつ、続けていることです。